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幸桜と切桜
俺の右手には君の左手が繋がれていて、それが凄く嬉しくて幸せで、
年をとってよぼよぼになっても、こうやって手を繋いでいたいねって
恥ずかしい台詞かもしれないけど、心の底から思うから、君に伝えたいからそう言った。
そうしたら君はふにゃりと笑って「そうですね」と言ってくれた。
君のその嘘の無い笑顔がとても好き/幸桜
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今日は初めて彼女が俺の家に遊びに来る日。
前日、いつもはちらかっていてみっともない自分の部屋を必死で掃除した。
ゴミがそこらに落ちていたり、埃が溜まっている訳じゃないからまだ良かったものの、俺は整理整頓というものがどうにも苦手でなかなか難儀した。
机の上でちらかっている教科書(置き勉しているから少ないが)は科目別に綺麗に並べ、プリントはとりあえず全部まとめて引き出しの中へ。
ベッドの上や床に積み上げた読みっぱなしの漫画本も、きちんと本棚にタイトル別・巻数順に入れて。あーエロ本は奥の見えないところに入れておこう。
ゲーム機は収納ケースに入れ、むき出しになってその辺に置いてるゲームソフトはパッケージに収めて漫画と同じ本棚に入れた。
小さなテーブルは水拭きをして、その下に敷かれた小さな絨毯も綺麗に皺を伸ばし、座布団は2つ用意して、ああそうだベッドも枕をあるべき場所に戻して掛け布団も絨毯と同じように皺を伸ばそう。
部屋の片付けが済んだら何故か疲れてしまった。が、そうくたばっていられない。
母さんに頼み込んでジュース代を頂いた。最初は彼女が来ることを言っていなかったから、ただ単に俺が飲みたいだけだと思っていたみたいで渋っていた。
本当は言いたくなかったけど、「明日彼女が来るんだけど、俺の持ち金じゃ足りないから協力して下さい!」と両手を頭の前で押さえて頼み込んだ。
そしたらあっさり400円くれた。1.5ℓ180円だとして2本買える。
母さんはニヤニヤしながら「明日ちゃんとお母さん達に紹介してね」って言ってきた。いつの間にいたのか、父さんと姉ちゃんもニヤニヤしながら俺を見ていた。くそう、だから言いたくなかったんだ。
その後ジュースと、自分の少ない小遣いで2切れのケーキとお菓子を少しを買ってきた。ケーキはそこらのスーパーの安っちいものじゃなく、ちゃんとしたケーキ屋で買ってきたもんだから、味は良いだろうが財布は若干軽くなった。
とりあえずこれで彼女を迎える準備は終わった。夕飯のときとかに家族全員からやたらと「明日楽しみね」「彼女がいるなんて知らなかったよ」「どんな子?どんな顔してんの?」とか言われまくった。
うっとおしいから俺は沈黙を守り、さっさと夕飯を平らげさっさと風呂に入り、自分のベッドに潜り込んだ。早い時間というのもあるが、楽しみで眠れない。まるで、小学生のときに初めての遠足に行くのが楽しみだったときのようだと思った。
ただ、その寝る前も今もその頃よりずっとどきどきしている。
今までだってデートは何度かしたけど、実質2人きりになるのが今回は初めてなんだ。
だから、いつも通り会話出来るかとか、ケーキやお菓子は口に合うだろうかとか、そんなことを気にしてしまう。
あと、あわよくばいい感じの雰囲気になって・・・いや、止めておこう。俺は良くても彼女は良くないどころかそういうことを知っているかというと多分知らないだろうし、家には家族がいるし・・・。変なことをするのは止めよう。
本当は、キスぐらいはできたら良いな、って、思うけど。
だけどやっぱりもうちょっと何かあっても、いや駄目だろ、とか悶々していたらいつの間にか彼女との待ち合わせ時間が近づいていた。
俺は急いで家を飛び出した。途中姉ちゃんが「寝癖付いてるよ!」とか言ってきた。馬鹿、頭もじゃもじゃなのは元からだっつーの。
もうすぐ彼女との待ち合わせ場所に着く。走っているからか、どうにか時間には間に合いそうだ。
今日はどんな服を着ているんだろうか。どんなおしゃれをして俺を待っているんだろうか。いつも可愛い彼女だから今日も可愛いことは間違いないだろうと思う。
そんなことを考えたら早く彼女に会いたくなって、俺は走るスピードを速めた。
切桜/題名が思いつかなかった。眠い。よく分からない。長い。